人工透析、透析治療について
人工透析、透析治療について
透析とは
慢性腎不全により尿毒素に汚染された血液を、きれいにして体内に戻す方法です。
人工腎臓と呼ばれるダイアライザーの装置に体内の血液を送り、血液の中の老廃物を取り除き、余分な水分を除去・電解質の濃度の調節・血液pH(酸−アルカリ性)を改善を行い、血液をきれいにして体内に戻します。
血液中にたまってしまった毒素と体にたまった水分を除去します。
患者さんの腕の血管に針を2本刺し、一方の針からポンプを使って血液を体の外に出しフィルター(ダイアライザーと言います)を通して毒素と水を除去してもう一方の針に血液を返すといった流れです。連続的に毒素と水を除去できます。
腕の血管はより多くの血液を透析できるようにあらかじめ手首のあたりで動脈と静脈をつなげる手術をして血管を十分に発達させておきます。
この血管を「シャント」と言います。
血液を体外に出すわけで凝固しやすくなります。というわけで抗凝固剤を入れながら行います。主にヘパリンです。
一回の治療には一般的に4時間。それを1週間に3回行います。
透析にかかる時間
血液透析の場合、週3回・1回3時間〜5時間が一般的。また火・木・土は、午後2時半頃から、4時間の透析を受けています。
腹膜透析の場合、1日4回30分ほどかけて、透析液の交換が必要です。病院に行く必要がない代わりに清潔な場所での交換が必要なので、そういった場所を確保する必要があります。
内シャントについて
血液透析を行うには、比較的たくさんの血液(1分当たり250〜300ml)をダイアライザーに送らなければなりません。
このため、血流量の多い太い血管が必要となります。そこで、“内シャント”と呼ばれるものを作ります。
内シャントで注意すること
シャント側の腕では!
■腕時計はしないで下さい。
■血圧は測らないようにして下さい。
■採血や静脈注射はしないで下さい。
■重いものは持たないようにして下さい。
■きつい服で腕を締め付けないで下さい。
■肘枕はしないで、夜間などは手術した側の手を枕などで少し挙げておいて下さい。
■手が少し腫れるので、その間は指輪をしないで下さい。抜けなくなる恐れがあります。
■自分でスリルを確認する習慣をつけて(指で触ると血液が震えながら流れているのがわかります感じなかったりすれば、早めに受診して下さい。
■脱水状態では閉塞しやすいので、嘔吐や下痢に注意して下さい。
■外傷を受けると出血が多くなりますので注意して下さい。
■感染に注意して下さい。
■透析日は入浴しないようにして、普段は腕を丁寧に洗い、清潔を保つように心がけて下さい。
止血方法を覚えましょう。
1.押さえる場所
皮膚の針穴と血管の針穴はずれているので、軽く指先に力を入れて両方の穴を押さえる。
2.押さえる強さ
押さえる強さはシャントのスリル(ザーザーという振動)が触れる、血液の流れを止めない程度です。
3.それでも出血する時は
5分間は強めに、残りの5〜10分間は弱めに押さえるようにします。押さえる強さが弱すぎたり、強すぎたりすると内出血やシャントが詰まる原因になります。